第20章 蒼炎乱舞※死柄木②
だからこの町の大事件がニュースで流れるなんて思っていなかった。
それは何気なく付けたテレビから得た情報だった。
この町に、数体の脳無の襲撃。
激しく壊されたビルと、人々の避難の状況。
ニュースの画面は慌ただしいアナウンサーの言葉と、何度も切り替わる画面が、その惨事さを表している。
テレビ画面に釘付けになったのは、惨状の酷さからでは無い。
脳無が居る。
それはこの町に荼毘が来たと、ゆらに知らせた。
「はっ……荼毘。」
町の惨状に眉間に皺を寄せながら、口角を上げて荼毘の名前を呼んだ。
「……冷たいなぁゆら。」
背後から聞こえる聞き慣れた声に、簡単に胸が高鳴った。
開けっ放しの窓際では、カーテンが風に揺らされている。
そのカーテンの影に見覚えのある形が写ると、ゆらは目を細めた。
家に居ろと言ったホークスの言葉の意味は、荼毘と会うなだろう。