第20章 蒼炎乱舞※死柄木②
ゆらの衝動の情緒が安定していれば、こんなにも穏やかな時間が過ごせる。
ホークスは自分の後ろにくっついているゆらを見下ろした。
(こうしてこっちに居れば、普通の女の子なんだ。)
わがままで、上司の言う事なんて聞かないけど。
ちゃんとヴィランとの線引きを分かっている。
だから絶対に、荼毘に会わせてはいけない。
ホークスはそう心に誓って、ゆらとの何でも無い時間を過ごす。
どうかこのまま何事も無くこうして2人で過ごしたい。
本当にそう思っていた。
初めからゆらに話していれば良かっただろうか。
テレビではずっと脳無と戦うエンデヴァーの映像。
今日外に出るなと言ったホークスも、その現場に居る。
ゆらはその光景をテレビから見るしか出来なかった。
『外に出るな。』
ホークスのその言葉の意味を理解した。
荼毘がここに居る。