• テキストサイズ

【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第3章 蒼炎を愛慕する※荼毘


「…このクソみたいな状況を説明しろ。」

見下ろした死柄木の目に、ゾクゾクした。

自分の上に跨っているのが荼毘じゃ無かったら、喰らい付きそうだ。

「…見ての通り、自分の欲求を抑えられない、イカれた思考の抹消の持ち主だよ。」

抹消という言葉に、死柄木の目がピクッと反応した。

「…取り敢えず、服を着ろ。」

死柄木に言われて、ゆらは服を整える。

静かに喋る死柄木を、ゆらは意外だと思った。

聞いていた話だと、もっと子供っぽく、怒鳴ってくるかと思ったからだ。

「早く、この鎖外せ。」

死柄木の言葉に、ゆらは1番ショックを受けた様な顔をする。

もう少し、縛られている死柄木を見ていたい。

ゆらはそっと手を伸ばした。

腕が縛られている死柄木の手を、ゆらは握った。

死柄木の五指が触れても、個性が消えているので、破壊は起きなかった。

見上げると、目を細めた死柄木が見下ろしていたので、ゆらは手を離して鎖を解いた。

「で?お前は仲間になりたいのか?」

死柄木がそう聞くと、ゆらはキョトンとした顔をした。

「全然なりたく無い。」

ハッキリとゆらがそう言うと、荼毘の目がぎゅっと顰められた。

「だってそうしたら…。」

ゆらはニッコリ笑って死柄木を見た。

「狩れないじゃない♡」

一般人を縛っても何も面白く無い。

衝動はやはり、彼らヴィランが起こしてくれる。

「……先生に渡して、要らない個性なら…殺せ。」

どうやら死柄木は、怒鳴らないだけで、気に触っていたらしい。

(…そんな目をしたら、また縛りたくなるじゃないか。)

そう言って、背を向けた死柄木を、ゆらは笑って見送った。
/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp