第3章 蒼炎を愛慕する※荼毘
「…荼毘…。」
当のゆらは、そんな事全然気にしていなそうだ。
そんなゆらに、荼毘の罪悪感は情欲に負ける。
ゆらの服を捲り上げて、すぐにブラをずらすと、出てきた乳首を口に含む。
昂りが疼きに変わり、ゆらは声を出す。
乳房を掴んで、立った乳首を強く舐める。
コレから与えられる快楽がもう分かっており、ゆらはたまらずに荼毘の頭を掴んだ。
その時、ドアが開いて、誰かが入って来た。
ゆらが目線を上げると、顔に付いている手のひらの隙間から、赤い目がゆらと荼毘を見下ろしていた。
その目を見た瞬間に、体中の血がカーッと逆流した感覚になった。
見られて恥ずかしいのでは無い。
治ったハズの昂りが、その目を見た瞬間にぶり返して来た。
あの目の男を狩りたい。
ゆらの頭の中を、その気持ちが支配する。
ゆらは衝動を抑えきれずに、手から鎖を出して死柄木を縛った。
特に困惑した様子も無く、縛られてもそのままゆらを見下ろすその顔に、ゆらの手が伸びそうになった。
ゆらの正気を戻させたのは、荼毘の一言だった。
ジトっと自分の腕の下に居るゆらを見ると、荼毘はため息の様に声を出した。
「…誰でもいいのかよ。」
「っ!違う!」
荼毘の言葉に焦った様にゆらは言うが、死柄木を見つけた目が、初めて荼毘を見つけた時の目と同じだったのを、見逃すはずが無かった。
ゆらは困惑した。
確かにさっきまで荼毘にしか起きなかった衝動が、死柄木にも向かったから。
慌てるゆらを見ながら、死柄木は低い声で話し出した。