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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第3章 蒼炎を愛慕する※荼毘


死柄木が部屋から出て行くと、荼毘は後ろからゆらの頭を掴んだ。

「…誰でもいい様だな。」  

先程のゆらの行動を見て、荼毘は目を細めてゆらを見た。

「…そんなハズない、荼毘だけだよ。」

ゆらは荼毘の目を見て、その首に腕を回した。

荼毘がはっと、乾いた笑みを声に出した。

本当に、荼毘だけのはずだ。

アレは、昂った感情の中に、入って来た異物を取り払おうとした感情に感じた。

昂りを貪りつきたい縄張りに、入って来た捕食者を全身が警戒していた。

荼毘を捕食対象者と認定した個性が、死柄木は同じ捕食者として認識した。

(…はぁ、本当に面白い。)

荼毘の様な対象者も初めてだったのに、死柄木の様な対象者も、また初めてだった。

考え事をしていると、その心情を探る様に荼毘がゆらを見ていた。

ゆらは荼毘にまたがり、見下ろして笑った。

「荼毘、続きしよ♡」

そう言って、荼毘の唇に自分の唇を押し当てると、遠慮なく舌を入れて来た。

先程より荼毘が気乗りしていないのが、よく分かる。

荼毘はその不機嫌さを隠す事なく、ゆらに伝えている様だ。

ゆらは唇を離すと、荼毘の顔を覗き込む様に言った。

「縛ろうか?」

「……それでテンション上がるのお前だけだから。」

荼毘はイラッとした顔をして、ゆらの肩にかぶり付いた。

ビクッとゆらの肩が跳ねると、随分と歯形が付いた痕をベロッと舐めた。

「いつまでも、俺が喰われると思うなよ。」

荼毘がそう言って付けた痕が、ズキズキと痛んで、ゆらは嬉しそうに笑った。
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