第19章 蒼炎と一騎当千※轟焦凍・ホークス
久しぶりに聞いた荼毘の名前に、ゆらの心臓が高鳴った。
「え?」
荼毘の名前に動揺しているゆらを、真剣な顔でホークスが見ている。
「……一通り私の事は調べていたみたい…施設の事も…。
でも、分からなかったって……。」
前に荼毘に言われた事をそのままホークスに伝えた。
ホークスはため息を吐くと、ゆらの肩から手を離した。
「…荼毘が…何?」
背を向けたホークスに、ゆらは戸惑いながら聞いた。
ゆらの声に、もう一度振り向くと、言いづらそうにホークスは顔を顰めた。
「いや…大丈夫だ…何でも無い。」
何でも無い事はないだろう。
歯切れの悪いホークスの言葉に、ゆらも顔を歪める。
だけどここでホークスを問い詰めても、何も喋らないだろう。
このホークスの機嫌の悪さ。
公安から気に入らない仕事が入って来た時のホークスのいつもの態度だ。