第19章 蒼炎と一騎当千※轟焦凍・ホークス
「焦凍…。」
「何だ?」
呼ばれて振り返る焦凍の顔が笑顔だ。
「……人前では手は繋がない方がいいかも…。」
さっきから絶対写メ撮られまくってる。
焦凍は好感度がいいから、自分のせいで変な噂が立つのが嫌だった。
「……俺は気にしないけど…ゆらが嫌なら…。」
焦凍はガッカリした様に手を離す。
しゅんとさせてしまった…。
「…ゆらはマスコミが嫌いなのか?」
きっと世間で色々叩かれている事を言っているのだろう。
「……取材とかは苦手……。」
必要も無いのに笑ったり、愛想良くしなきゃいけないのもしんどい。
「…俺も苦手だからなぁ…。」
何かアドバイスをくれようとしたのだろうか。
「焦凍、プログラム見せて。」
何だか元気が無くなってしまった焦凍に、ゆらは声を掛けた。
一緒にプログラムを見ながら、行きたい場所を決める。
何個かお店を回ったら。
もう周りの雑音は気にならなかった。
普通に手を繋いで、笑って側に居る事が出来た。
「ゆら…、今日はこっちに泊まるんだよな…。」
焦凍が少し小声で、手をぎゅっと握って聞いてきた。
その顔は少し紅潮してて、照れていた。