第19章 蒼炎と一騎当千※轟焦凍・ホークス
「…ゆら、可愛い。」
結局、ぎゅっとゆらを抱き締める。
「………ホークス…それはちょっとキモい…。」
「💢」
たまに可愛がりたいと思っても、やっぱり可愛く無い。
でも、どうしようも無い妹みたいな存在だけど、ゆらが笑顔で過ごせる世界を望んでいる。
このままこうして自分の側に居るのが、1番心配無く落ち着くのだ。
雄英を離れて、そんなに経って居ないのに、すでに懐かしいと思えた。
ほんの少し通っただけの学校なのに。
ここがこんなに人を受け入れるのは、体育祭以来だ。
ゆら以外にもプロヒーローも訪れている。
「サイン下さい!」
「サイン無いです。」
「写真一緒に撮って下さい!」
「無理です。」
ホークスのサイドキックらしかぬ対応だ。
またSNSが荒れて、ホークスに説教されそうだ。
そもそもヒーロースーツを着ていない時点で、プライベートだと察して欲しい。
プロヒーローになって、道を真っ直ぐ歩けないと知った。
焦凍からバンドをやると聞いていたが、彼は裏方らしい。
観に行っても、焦凍の姿を見る事は出来なさそうだ。
それならばと、ゆらはA組と時間が被っているB組の劇を観に行く事にした。
『我が名はロミオ!アズカバンの亡霊パリス伯爵よ!ジュリエットを返して貰おう!!』
「……………。」
色々盛り込まれている…。
そうか、学校辞めて無かったら、自分もコレをやっていたんだ…。
まぁ…裏方だろうけど。
久しぶりに見る同級生達に胸が少しぎゅっとなって、劇は不覚にも笑ってしまった…。