第19章 蒼炎と一騎当千※轟焦凍・ホークス
「ホークス、剛翼外して。」
寝る時間になれば、普通にホークスの部屋に来る。
一度寝室に入れたのが間違いだった。
「…明日の取材はちゃんと受けるか?」
「……………。」
今じゃ最年少プロヒーローで注目度は1番なのに、メディア嫌いはイレイザー以上だ。
メディアからの取材を受けた事が無い。
取材の時間になれば、平気で姿をくらます。
結局ゆらはホークスに返事をしないで、ベットに潜り込んでくる。
「…………。」
背中からぎゅっと抱き付いてくるゆらを感じて、最初は衝動を抑える為だと思っていた。
だけど、ゆらは縛りたいとお願いはしなかった。
「…衝動は平気なのか?」
「…平気……週末焦凍に会うんだ…。」
少しはにかんで嬉しそうにゆらは言った。
雄英の文化祭に行くらしい。
もうホークスよりも、焦凍の方がゆらの安定剤になった様だ。
それは少し寂しかった。
「…焦凍くんはこうして一緒に寝るのは、嫌がると思うよ。」
「うーん……でもそうしたら、ホークス夜縛れないし。」
「?!」
ホークスはクルッと回って、ゆらの方を向いた。
「……縛ってるの?」
「勝手に縛ってる、寝てる内に、ホークスも寝てて気付いて無かった?」
ー気付かなかった。
ゆらの鎖は、ホークスには殺意も悪意も無いから。
ゆらはホークスが容認していると思っていたみたいで、バレてしまって怒られるのかもしれないと言う顔をしている。
ー何だ……俺が必要無くなった訳じゃ無いのか…。
そう思えたら、急にゆらを抱きしめたくなった。