• テキストサイズ

【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第18章 蒼炎の教育②※荼毘


ゆらの手が死柄木の頬に触れた。

目を細めると、ゆらはゆっくりと死柄木に言った。

「……死柄木…、今なら壊せるよ。」

「…いい……鎖…。」

「……馬鹿だね……死柄木…。」

ゆらは鎖を出すと、死柄木を繋いだ。

「知ってた?死柄木。
私はあんたを縛るといつも、あんたを殺したくなってた。」

手に入れようと思うと、死柄木を壊す事しか思い浮かばない衝動。

荼毘のそれとは明らかに違うその特質は、死柄木にしか向かわない唯一の存在。

「……いつも俺の事そんな目で見てだぞ。」

ー今の様に。

恍悦で口角が上がり、目の前の獲物をどう処理しようか。

そんな事しか頭に入らない。

その麻薬の様に心地よい衝動を、一線超えてしまえば、決してもう元には戻れないと分かっている。

「…だから、あんたの側にだけは居れない。」

いつかいつもの戯れの延長で、死柄木を殺してしまいそうだ。

それが分かっていてなお、何故この男は縛らせてきたのだろう。

この答えを死柄木から聞くつもりも無い。

どっちにしろ、私達には不要な情報だから。


ゆらは死柄木の手からケースを取ると、薬を一個づつ取った。

「……じゃあね、死柄木。」

死柄木から鎖を外そうとした瞬間、死柄木の手がゆらの頭を押さえつけた。

押し付けられた唇に目を閉じると、ゆらは死柄木の首に腕を回して死柄木のキスを受け入れる。

これもまた、戯れなのだろうか。

いや…違うな。

珍しい。

この男が情欲のキスをしている。

「……抱いていいか?」

「…鎖取っていいなら。」

どっちが死ぬか分からない状態なら、少しはこの気持ちを誤魔化せそうだ。

スリルが大好きで、ただの好奇心だったと。


/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp