第18章 蒼炎の教育②※荼毘
「…あっ…荼毘…いいのに…。」
そんなに中を慣れさせなくても、荼毘なら痛みを伴っても構わない。
それより早く1つになりたいのに、荼毘はいつもゆらを丁寧に扱う。
その行為だけはいつも大切にされていると唯一感じる行為だ。
「あっ…もういいっ早くっ…。」
早くしないと鎖で縛ってしまいそうだ。
だけど荼毘が駄目って言った。
ムズムズとした気持ちを抑えて、ゆらは荼毘に縋る様にキスをする。
この位なら、痛みなく入るだろうか。
少しはゆらの中を慣れさせて荼毘は指を抜いた。
きっと、こんなに丁寧に抱きたいと思った相手も居なかったはずだ。
そんな風に思えた相手は、簡単に他の男に抱かれる様だ。
だけど、それでもいいと、ゆらの情欲を焚き付けたのは自分だった。
きっと今目の前に居る不埒な女は、荼毘の教育の賜物なのだろう。
自分の衝動にも、情欲にも素直で……。
ああいつか…。
ゆらは衝動で人を殺せるだろう。
荼毘は笑みを浮かべながら、ゆらの中に入った。
その悦びでゆらの背中が仰け反った。
それでも荼毘を離さない様に、荼毘の首に手を回して、その体の曲線は美しかった。
その最初の衝動は治崎だったら良かったのに。
それなのにゆらはその衝動に抗った様だ。
個性を…力を押さえつけられるのが1番嫌い、心の底から嫌悪感が生まれるゆらを。
今回は誰が引き留めた?
思い描くのは、最高傑作のあの男だろうか。
「うっ…荼毘っ苦しいっ……」
いきなりギュッと抱きしめられて、ゆらは苦しさに声を漏らした。