第18章 蒼炎の教育②※荼毘
「ゆら。」
荼毘にあやす様に名前を呼ばれて…もう限界だ。
ゆらは吸い込まれる様に荼毘の腕の中に収まった。
「…俺は素直な女が好きだなぁ。」
ゆらの顔をスリっと撫でて、荼毘は言った。
本当に、何でこんなに荼毘には逆らえ無いのだろう。
好きで好きでたまらない…。
「荼毘…好き…。」
ゆらは荼毘にキスしようとしたが、荼毘が顔を逸らす。
「…俺は縛っていいって言っただけだ。」
荼毘の意地悪な顔にゆらの眉間に皺がよる。
「…治崎と仲良くなんてしてないよ…まぁ、個人的には会ってる…。」
アレは決して仲良くでは無い。
ゆらはそこだけは自信を持って言える。
荼毘の目が細くなって、ゆらの肩を掴んだ。
「?!」
急に引き寄せられて、荼毘の唇が触れた。
押さえ込まれる様に荼毘からキスをされて、ゆらはゆっくりと目を瞑った。
ちゅっちゅっ、と何度も荼毘の唇が重なって、自分からすぐに熱い息が出る。
ハムッと荼毘がゆらの唇を喰んで、顔を少し離した。
「… ゆら、何が目的で、何処までやった?」
核心をつく荼毘の質問に、ゆらは顔を顰めた。
それでも答えないと続きのキスはしてくれなさそうだ。
「……………。」
答えられないで黙っているゆらを荼毘は押し倒した。
何処かの廃墟のオフィスにある机に背中が付くと、ヒヤッとその感謝が全身に渡った。
見上げた荼毘に怖さは無かったが、薄ら笑いの荼毘に何だか嫌な感じはした。
「ゆら、何が目的で、何処までやったか聞いてる。」