第18章 蒼炎の教育②※荼毘
「……最近つれねぇなぁ…。」
久しぶりに荼毘に会えたと思ったのも束の間で、荼毘は何やらご機嫌が悪い。
前は寮を抜け出してまで荼毘を探していた事を考えると、確かに最近はあまり荼毘に擦り寄っていない。
荼毘はガシッとゆらの頭を掴んだ。
その行為に色気は感じない。
「…最近オーバーホールと仲良しだって?」
荼毘がニヤッと怒りを含めた笑みを見せる。
発信源は何処だ?
死柄木?トガ?トゥワイス?
何処が発信源でも、情報内容はたいして変わらないだろう。
「……まぁ…そうだね……。」
ゆらは明言を避けて荼毘から視線を外した。
「……………。」
グッと顔を逸らしてゆらの顎を掴んできた。
簡単にはスルーしてくれなさそうだ。
「……荼毘が気にするような事は何も無いよ……。」
ーー目線が合わない。
ゆらの答えにまだ納得ができなかった。
まぁ話す気の無い奴に執着した所で何も出てこないだろう。
荼毘はゆらから手を離した。
意外に早く荼毘のきがそれたので、ゆらは肩透かしをくらった。
荼毘が口元に手を置き隠しながら、口角を上げた。
言わないなら、言わせるまだだけど。
「ゆら、縛らせてやろうか?」
「?!」
荼毘の言葉にゆらの顔色がハッキリと変わる。
……これは…ズルい…。
ニコニコと両腕を広げて待っている荼毘にとてつもなく胸が高鳴った。
「……荼毘…ズルい…。」
ゆらは目をギュッと瞑って荼毘に言った。
「俺は縛らせてやるって言っただけだぞ?」
一生懸命に顔を赤くして我慢しているゆらに、荼毘は笑いながら言った。