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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第3章 蒼炎を愛慕する※荼毘


ムクッと起き上がるゆらに、動揺したのは荼毘の方だった。

「拘束を武器にするなら、相手はどんな風に逃げようとするか、自分で試してたの。」

「…相変わらず、イカれた発想だな…。」  

呆れた様に荼毘は言った。

ゆらは自分の手首が、問題なく動くのを確認すると、スッと荼毘に目線を送った。

「…荼毘…。」

ゆらは左手で荼毘の右手を握った。

右手で荼毘の顔に触れると、悲しそうな顔で言った。

「あなたは、悪い人だったのね。」

今にもキスをして来そうな距離で、ゆらは荼毘の顔を見た。

「…はっ、いいのか?拘束して無いなら、俺は個性使えるんだぞ。」

すぐに炎で、ゆらの左手を焼く事だって出来る。

そう言う荼毘に、ゆらは目を伏せて言った。

「……もう、そんな気持ち無くなっちゃった。」

それは荼毘があの夜に見た、捕食者の目では無かった。

喰らったモノを喰べ飽きた様な、そんな表情に、荼毘の心臓がミシリと鳴った。

荼毘はゆらの顔を掴んで、自分の方に向けさせる。

ゆらの口元がふっと笑ったのを見て、荼毘はそこでやっと気が付いた。

「可愛いね荼毘、そんなはずないじゃ無い♡」

自らゆらに喰らい付き、逆に囚われた事に。

再び見上げたゆらの目は、あの夜の目に戻っていた。

荼毘の右手首と、ゆらの右手首が再び拘束される。

「荼毘…。」

ゆらが荼毘にまたがり、グッと体を押し付ける。

「悪い子の荼毘のコピーに、私が何をしたか教えてあげようか?」

恍惚の笑みで、ゆらは荼毘の顔を掴んだ。
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