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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第16章 蒼炎の思惑※荼毘・死柄木


「……荼毘…どうしたいの?」

ゆらとどうなりたいのか。

ゆらは荼毘の心情が気になった。

「……そうだな……。」

荼毘はギュッとゆらの腰を掴んだ。

後ろからゆらを抱き締めながら、その肩に顔を埋めてみた。


「…ずっとこうしてるの悪くねぇな。」


荼毘の言葉にゆらは目を伏せた。

それが荼毘の本心なら。

確かにこうしているのも悪くない。

だけどそう出来ない関係なら。

この時間はお互いに苦痛なだけになりそうだ。

色々自分の気持ちに理由を付けてもやっぱり、こうして荼毘と一緒に居たいんだ。

だけど結局それが出来ないと分かっているから。

焦凍に場所を貰い。

荼毘の気持ちが自分と違う事を祈る様に、荼毘に素直にならない。

初めて会った時に荼毘が欲しいと思った衝動は、とても幼い感情で。

そこにこうして気持ちが入れば、決して手にはしてはいけない感情だと、一緒に居れば居るほど知らされる。

そして荼毘は迷宮の様なそんな出口のない悩みに、答えを持っていない。


「このまま2人で何処か遠くに行こうか。」


きっとこれがゆらの素直な気持ちなんだ。

ヒーローだとかヴィランだとか気にしないで。

荼毘と2人で何処か誰も居ない場所で2人で過ごせるなら、それが幸せだ。

「……笑えない事言うなよ…。」

ゆらのその言葉がつまらないとでも言う様に、荼毘は低い声で言った。

自分の気持ちを拒否されるその言葉に傷付かないでいられるのは。

そう冷たく突き放す荼毘の言葉と、しっかり自分を抱いている荼毘の行動が相反しているからだ。

その言葉もまた、荼毘の本心では無いと教えてくれる。

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