第16章 蒼炎の思惑※荼毘・死柄木
まるで、好きだと言われている自分が1番。
ゆらにとっては情欲の対象なだけの様に思えた。
だから見てみたかった。
ただ情欲にふけこむ2人の姿を。
そして安心したい。
死柄木も焦凍もゆらにとっては衝動を抑える為の発散対象だと。
好きだと、乱れる位に求めるのは自分だけだと。
「…ん…はぁ………荼毘……。」
荼毘の名前を呼んで、荼毘に狂った様にキスを求める。
…ああ、良かった…。
下にいる死柄木にはたいして興味は無いようだ。
そんなくだらない事を確認する為に、わざわざゆらの痴態を曝け出す。
それはあまりに幼稚で。
独りよがりの感情だった。
ゆらはそんな荼毘の気持ちも分からないし。
死柄木は何の興味を示していない。
でも荼毘からしたら、この2人の方がおかしいと思った。
わざわざ人の女に触りたがるな。
他の男を縛って衝動を満たすな。
結局2人に言いたいのはそれだけの事なのに。
それをもしこの2人に言ったら、どんな反応をするか手に取るように分かる。
普通の感情の斜め上にいるイカれたこの2人は。
そんな事を言った荼毘を見て、目を細めて笑うのだろう。
「……お前…本当にそれで満足か?…。」
「…別に…。」
死柄木に確認してもさほど気にしていない。
自分達のSEXを見ながら自慰行為をしているだけだ。
そんなお前が。
何故ゆらを求める?
荼毘がゆら以上に死柄木を見ている。
悪いが男に見られて達する趣味は無い。
死柄木はもう一度ゆらを自分に寄せた。