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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第16章 蒼炎の思惑※荼毘・死柄木


しかし死柄木は荼毘が居ることには不満そうだ。

ただ触りたいと言う欲求を人に見せるのはやはり気が引ける様だ。

そんな死柄木の心情なんてお構いなしに、死柄木が縛っていいというならゆらは勝手に気分が昂る。


……本当に荼毘は付いて来る。

汚ない何処かの廃棄倉庫だ。

周りには誰も居ないで、3人の呼吸の音だけが聞こえる。

死柄木が適当な所に座ると、ゆらは彼の前に立った。

死柄木の赤い眼がゆらを見ると、相変わらずこの目を潰したいのか、喰らい付きたいのか、ゆらにはその衝動が何なのか理解出来ない。

死柄木の膝の上にゆらは跨る。

「……はぁ…♡」

グルグル死柄木に鎖を巻き付けると、ゆらから吐息の様なため息が出た。  

気持ちの良い衝動の解放に、全身が悦んで鳥肌が立つ様だった。

「……巻き過ぎだろ…。」

「………。」

グルグル巻きの死柄木はあまり自由に手が動かさない様だ。

後で存分に触らせてあげるから、今は自分の欲求を満たしたい。

ギリッギリッとゆらの鎖が死柄木の腕に食い込む。

痛みに死柄木の目が歪むと、ゆらは目を細める。

死柄木に対する他虐的な衝動が1番怖い。

死柄木を手に入れたいのに、その解決方法は荼毘とは全然違う。


ゆらは今、死柄木を壊したい。

鎖でがんじがらめにして、動けない彼の手を折り、足を折り…。

その眼を奪い、自分の鎖の中で死柄木が壊れていくのをゆっくり見ていたいのだ。


その衝動が何故死柄木だけなのか分からない。

彼が特別嫌いな訳でも無い。

死柄木を手に入れたい。

それだけの衝動だった。

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