• テキストサイズ

【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第16章 蒼炎の思惑※荼毘・死柄木


「ゆら。」

2人の間に入って来たのは死柄木だった。

ゆらは荼毘から死柄木に目線を移す。

定期集合の義務は果たしたはずだ。

ゆらに何の用があるというのだろうか。


…まぁそんな事、聞かなくても分かるけど。

荼毘なんかより死柄木の方が可愛いではないか。

「…いいよ。」

ゆらはニッコリ笑うと死柄木の方に歩いて行った。

荼毘を置いて。


「…アホか…。」

そんなゆらを荼毘は腕を掴んで引き留めた。


……うーん……何だかまだ足りない…。

「大丈夫だよ…すぐに終わるから…。」

ゆらはワザと意地悪っぽく荼毘に言った。

事実死柄木の用事は分かっている。

どうせ五指でゆらに触れたいのだろう。

彼の衝動はそんなモノだ。

だけどそれは荼毘を苛立させる事を知っている。


ギュッとゆらを掴む荼毘の手が強くなった。

ああ…本心にイライラしている様だ。


なら少しは死柄木の様に、素直になればいいのに。

「…荼毘…本当にすぐに済むって。」

荼毘の気持ちが分かっているのに、言う事を聞かないイライラが増している様だ。

そんな荼毘をゆらは目を細めて見上げた。

「…なら荼毘……『見てれば?』♡」

ゆらの言葉に荼毘はハッと笑った。

グッとゆらの顔を掴んで荼毘はゆらの顔を覗き込む様に言った。

「……なら、見せてもらおうか?」

どうせ物足りなくなって、自分に縋り付くゆらの姿を。


やっぱり荼毘は。

衝動の楽しさを知っている。

この衝動の楽しさを味わえるのはやはり荼毘と死柄木だ。
/ 366ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp