第15章 蒼炎の休日※轟焦凍
男のスマホから警察への犯行メールが見つかった。
駆けつけた警察官に男を渡すと、事情聴取に時間が取られて警察署を出たらすでに夕方だった。
「………………。」
結局休みの大半を警察署で過ごして、薄暗い街並みを見ながら2人は少し黙って歩いた。
「……焦凍どうする?」
ゆらと違って焦凍は今日家に帰るつもりだったのだろう。
「………大丈夫…。」
焦凍は何かを決心した様にLINEで多分家族に連絡したのだろう。
ゆらを振り返って見ると、ギュッとゆらの手を握った。
「行こう、ゆら。」
「…………。」
決心した様にゆらを見る焦凍に苦笑いが出た。
大丈夫なのだろうか…なんだか悪い事をしている気分になる。
焦凍が調べてくれたホテルは俗にいうラブホテルだ。
流石にゆらも入った事は無くて、その佇まいに少し躊躇する。
気恥ずかしくて受付はさーっと済ませた。
無人だったのが救いだった。
エレベーターですれ違う大人の視線にゆらは何だか前を向いて歩くのも恥ずかしくてずっと下を向いていた。
焦凍が手を握って引っ張ってくれていなかったら、部屋まで辿り着けなかったと思う。
カードキーでドアを開けて中に入ると、やっと2人は息を吐いた。
「…はぁ、めっちゃ緊張した。」
「うん…結構恥ずかしかったね…。」
顔を見合わせて笑うと、やっと落ち着いて焦凍にキスをした。
ちゅっと軽くキスをすると、すぐに焦凍が顔を掴んできて舌を絡ませてきた。
まだドアの側なのに我慢出来なくてしばらくそこでキスを繰り返していた。
「ちゅっ…はぁ、ゆら…。」