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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第15章 蒼炎の休日※轟焦凍


「焦凍!その車動くっ!」

運転手を退かしたのに、車がエンジンを吹かした。

焦凍は咄嗟に氷結で車を凍らせた。

「はぁ…はぁ…はぁ…。」

止まった車を見て、焦凍は心臓がドクドク爆発しそうだった。

ゆらは個性を人に向けて使ってしまってる。

こんな大通りで大勢の目の前で。

誤魔化しようが無いこの状況に焦凍は縋る様にゆらを見た。

ゆらは平然と捕まえた男を目を細めて見下ろしている。

「……ゆら…個性を人に向かって使ったら犯罪だ。」

「………仮免取ってるよ……。」

焦凍はギュッと拳を握って目を顰めた。

「仮免は緊急の時に個性が使えるモノで……今回は該当しない……。」

誰かが警察に連絡している。

焦凍は震えた手でゆらを握った。

「……ゆら…個性を適正に使えないのはヴィランと一緒なんだ…。」

ずっとゆらの個性の衝動が怖かった。

ヴィランが好きだと言ったゆらの気持ちには、個性の発散が含まれていると分かっていた。

ずっと目を逸らしていた事なのに、目の前で鎖を簡単に使ったゆらに目眩がした。

「……その通りだよ…焦凍…。」

ゆらは辛そうな顔をしている焦凍に触れた。

「…私、個性使ってない。」

「え?」

よく見ると、縛っている鎖は腰に付いていた鎖で、ゆらの手から出たモノじゃなかった。

ゆらはジトッと焦凍を見た。

焦凍が普段どんな目でゆらを見ているのかよーく分かった。

「…はぁ…ゆら…良かった…。」

焦凍が安心した様にゆらに抱きついてきてゆらは横目で焦凍を見た。

(後でしっかり聞こうじゃないか…。)

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