第15章 蒼炎の休日※轟焦凍
「………ありがとう……。」
え?何でお礼を言われているんだろう。
焦凍は嬉しそうに笑顔でゆらにキスをしてくる。
……焦凍が喜んでるいるならいいか…。
(明日いっぱい触って確認しよう。)
今日は確かに色々我慢出来そうも無い。
キスもイチャイチャだけで我慢して、明日その分沢山ゆらを抱き締めよう。
眠りに着くまで焦凍はゆらにキスを繰り返しては愛を囁き続けた。
結局2人が寝不足になったのは言うまでも無い。
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「ゆら、迎えに来た。」
一旦部屋に戻って、今度はちゃんと寮の入り口から焦凍が迎えに来た。
冷やかさせる前にさっさと寮を出よう。
ゆらはニコニコ笑っている焦凍の腕を掴んで歩き出した。
誰かと明るい時間に街に出たのは久しぶりだった。
遊び目的なら初めてかもしれない。
自分も慣れてないが、焦凍も慣れてないのでは無いか…。
ゆらはチラッと焦凍を見上げた。
ゆらの視線に気が付いて、焦凍が笑みを浮かべる。
多分こんなに焦凍の笑顔が向けられるのはゆらだけだろう。
だからA組ではゆらを見る焦凍に皆んな驚く。
自分は焦凍の特別だとちゃんと分かっている。
ゆらは繋がれている手をぎゅっと握った。
「…焦凍、何処行くの?」
「…あんまり遠出はしたく無いんだ…。」
今日の目的は思い切りゆらと抱き合う事だから。
「…この映画一緒に見ない?」
焦凍はスマホを見せながら近くの映画館のスケジュールを見せて来た。
上映時間がちょうどいい。
きっと調べてきてくれたのだろう。