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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第3章 蒼炎を愛慕する※荼毘


荼毘と同じ様に、脳無を木に縛り付けるも、脳無が鎖を切ろうと、抗う。

超パワーを持っているのだろうか。

ブチブチッと鎖が切れる音が響いた。

鎖が切れてしまっては、個性が消滅してしまう。

ゆらは相性が悪い脳無に、目を顰めた。

想像通り、脳無は鎖を切って、ゆらの個性から逃れた。

脳無がゆらに向かって来た。

あまり肉弾戦は得意では無い。

ゆらはギリっと奥歯を噛んで、脳無を迎えた。

「そいつじゃない。」

荼毘の声に、脳無がピタッと止まった。

「?」

ゆらは戸惑いながら、荼毘を見た。

「そいつ『以外』の雄英のガキだ。」

脳無は荼毘の言葉を聞くと、ゆらに背を向けて、歩き出した。

ゆらはしばらく脳無の背中を見送ると、荼毘に目をやった。

「…何を…。」

命令したの?

ゆらの目が、月明かりに照らされて、夜行性の動物の様に、光って荼毘を捉えた。

荼毘は、ゆらの表情に、ゾクッと背中がざわめいた。

捕食者のその目に、荼毘の体が固まる。

「…適当に見かけた相手を襲えと言っている、運が良ければ生き残れるかもな。」

全身が逆立つ様な悪寒の中、荼毘は強がる様に笑いながら言った。

「はぁ…荼毘…。」

ゆらはため息混じりで、荼毘の名前を呼ぶと、顔を上げて荼毘を見据えた。

今にも喰い殺されそうな、ゆらの目線が荼毘を襲う。

ギリッと、荼毘を縛っている鎖が、体に食い込む。

「そんな事したらダメでしょう?」

ゆらは子供を諌める様に、荼毘の顔に手を添えて、その顔を覗き込んだ。
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