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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第3章 蒼炎を愛慕する※荼毘


食後の肝試しの中、それは急に起こった。

充満するガスと、黒煙が空をさらに黒く染めている。

ゆらは登る黒煙を見て、それが荼毘だとすぐに分かった。

混乱するクラスメイトの中、ゆらはギュッと目を顰めた。

教師に荼毘の事を報告しなかった罪悪感が、今更ながら襲って来た。

倒れているクラスメイト担いで、安全な場所に移動して、ゆらはその混乱の全体を見た。

所々、交戦している場所が分かる。

あの何処かに、荼毘が居るだろう。

ゆらは高い木の上から、火が広まる1番先端の場所を確認する。

そこに荼毘が居るからだ。

ゆらは木を降りると、その方向に、真っ直ぐに向かった。

頭の中で指示が飛び交う。

『交戦するな』『退避』

ゆらはギリっと奥歯を噛んだ。

そんなの守れるハズがなかった。

(荼毘っ!)

ゆらは合宿所には戻らずに、そのまま荼毘を追った。

「!?」

目的の場所より外れて、荼毘を見つけた。

荼毘と、改造脳無。

その2人を確認して、やはり荼毘がヴィランだったと確認する。

荼毘が何か改造脳無に指示している様で、荼毘の指示を聞くと改造脳無が荼毘から離れようとした。

その瞬間、森の中から鎖が2本飛んできて、荼毘と脳無を捉えた。

「…ゆらか…。」

個性が使えなくなっているのを感じて、荼毘が呟いた。

鎖は荼毘の上半身をグルグルに巻いた。

「荼毘…悪戯が過ぎる…。」

そのまま荼毘を木に縛り付けて、ゆらは脳無を見た。

荼毘の様に、個性を抹消出来ている感触がしない。

改造されて複数個性なのかもしれない。
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