第14章 蒼炎遊戯※治崎廻・荼毘
死柄木はそのまま部屋を出た。
出た部屋の中から肉が爆ぜた音が聞こえたが、どうでもいい事だ。
今は腕の中にいるゆらの眉間の皺がこの後の面倒臭さを表している。
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「荼毘呼んで……。」
アジトに連れて帰ってもゆらの眉間の皺は治らない。
「……………。」
実際コイツも失礼な奴だなと死柄木はジトッとゆらを見る。
もう頭の中は荼毘しか居ないようだ。
「……2日程度で戻るらしいから大人しくしてろ。」
そう言うと余計に機嫌が悪くなるゆらにイラッとしながら死柄木は言い捨てる。
大体荼毘は何処で何をしているのかよく分からない。
自分が言えば戻って来ると思っている当たりは何処からくる自信なのだろうか。
このまま雄英に戻ったら個性が使えなくなった事を説明しなくてはならない。
多少無理に公安に処理してもらって、個性が戻ってから雄英に戻ろう。
その間ここでどう過ごせば良いのだろうか。
チラッと死柄木を見ても、彼はもう興味無さそうに座っているだけだ。
それでも治崎の元で過ごすよりよっぽど気分は良かった。
「……お前、その性格どうにかしないと早死にするぞ。」
死柄木は先程の治崎とゆらの光景を思い返しながら言った。
あの時に治崎が個性を使ったなら間違いなくゆらは死んでいた。
そして治崎がそうなる様に焚き付けたのはゆら本人だ。
「…………。」
死柄木の言葉にゆらはバツが悪そうに顔を晒した。
今冷静に考えれば自分の命を考えたら馬鹿みたいな事をした。
あんな死に方は自分でもお断りしたい。