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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第14章 蒼炎遊戯※治崎廻・荼毘


彼が吐き出したくてしょうがない欲望をどう出せばいいのか。

教えてあげるほど親切では無い。


「…オーバーホール、あまり擦り付けないで。」

ゆらはワザと意地悪く彼に言った。

雰囲気を壊さずにゆらが受け入れるとでも思っていたのだろうか。

いや、彼の反応を見る限りそこまで舞い上がっていない様だ。

治崎はゆらの首元に唇を押し付けると口を開いて齧り付いた。

「っ?!う…っ!」

治崎の舌の感触が首筋を這うと、流石にそれにはびっくりした。

そんな事を彼が出来るなんて思わなかったからだ。


(っ吐いたりしないよね……。)

震えが強くなった治崎の手を見てゆらは眉を顰めた。

何が治崎をこんなにも駆り立てるか分からなかった。



「っ…ちょっと…止まって!」

治崎の唇がどんどん胸元に移動してきた。

本気で治崎の腕を振り払おうとして、ゆらの拳が握られる。

そのゆらの手を見て、治崎はゆらの手を離すとぎゅっとゆらを抱きしめた。

「…はぁ…。」

軽く肩で息をしながら、ぎゅうっと治崎がゆらを抱きしめる。

これ以上彼はゆらに何も出来ないようだ。

ゆらは小さく息を吐いて胸を撫で下ろす気分だった。

流石に精神的な問題の多い治崎は、そんなにすぐに何が出来るわけでも無さそうだ。

「っ?!」

ゆらの顎を掴むと治崎の唇がゆらの唇に触れた。



多分初めてのキスなのだろう。

辿々しく押し付けるだけのキスだった。

震える唇と手は彼の限界を教えているのだろうか。

いちいちゆらで試している治崎に改めてイラッとする。
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