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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第14章 蒼炎遊戯※治崎廻・荼毘





治崎の素の顔を最近見た人間は居るだろうか。

きっとこの見上げる光景はレアなのだろう。




ソレに別に何の感情も抱かなかった。



彼の手がゆらの頭を抱きしめて、体を預ける様に体重がかかった。

首元に治崎の唇が触れたのが分かる。

ゆらは目を細めて横目で治崎が握っている自分の手首を見た。




(……ああ、本当に面倒くさい…。)

荼毘を呼んでと、死柄木を呼んで欲しいと言ったはずだ。

その握られている治崎の手は、その努力をしなさそうだ。

我慢してみるか?どうせ治崎の出来る事なんて高が知れている。




死柄木の様にしばらくこうして体に触れていたら気が済むだろう。

ゆらの目がそっと閉じた。



治崎の震える手が徐々にゆらの体を移動していく。

さっきまで自分が切り刻んでいた体を、何故そんなに愛おしそうに撫でられるのかゆらは分からない。



「…… ゆら…。」

治崎が呟いて、握っている手がぎゅっと強くなった。

その治崎の高揚がどういうものなのかは、彼の下半身が教えてくれた。

行為は出来なくてもそんな生理現象はあるのかと、ゆらは意外に冷静になった。




気分が悪いのは、その感情が自分に向けられている事だろう。





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