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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第14章 蒼炎遊戯※治崎廻・荼毘


「……死柄木?」

ゆらの言葉に治崎が反応した。

荼毘を追いかけてヴィランになったのは聞いた。

ここで荼毘の名前が出るのは理解出来る。

ゆらは荼毘と同じ位死柄木を信用しているのだろうか。

連合のリーダーだから?

治崎からすれば死柄木は組織のリーダーになるには、まだまだ足りない存在だった。

まだ幼く、組織を統一する知識も力量も自分より遥かに劣ってみえる。

そんな死柄木はゆらに触れられるらしいのに、今自分は拒否をされている。

それは治崎の気持ちに黒い感情を与えるには充分だった。

「…俺はお前の気持ちは尊重しようと努力している。」

治崎の言葉にゆらはハッと笑った。

それは触れてよいか確認している事だろうか。

「無理矢理触れてないって?勝手に個性を消すなんて仲間どころか物以外の扱いよ。」

治崎に言った言葉が自分に返ってくる。

自分はちゃんと相手の許可を取っている。

一生懸命治崎と違う部分を探しながら、今までの自分の行動を正当化する。

治崎の手が自分に伸びてくるのを見ていた。

グッとゆらの肩を掴む治崎に。

どんなに笑顔で取り継ぐろっていても、欲望を抑えられないヴィランなのだと改めて思った。

「……手が震えてるよ…オーバーホール。」

こんな風に人を触ろうと思った事が無いから、どうしていいのか分からないようだ。

治崎はゆっくりと手をゆらの背中に回した。

そして自分の体をゆらに付けると、グッと抱きしめた。

「っ?!」 

自分の体に蕁麻疹が起きないのが分かって、治崎はぎゅっとゆらを抱く手に力が入った。
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