第14章 蒼炎遊戯※治崎廻・荼毘
ゆらの意識が無くなると鎖が消えた。
「……………。」
治崎はぐったりしているゆらをしばらく見下ろしていた。
スッと手を伸ばすとゆらに触れて、彼女を修復した。
やはりゆらに対してあの嫌悪感が無い。
綺麗になったゆらの体を見て、治崎は目を細めた。
顔の血行は戻っていて、唇にも赤みが戻った。
治崎はスッとゆらの顔に手を添えると、親指でゆらの唇をなぞった。
何処を触っても、ゆらなら大丈夫だと思えた。
少し開いた唇を見て、治崎はそっと顔を近づけてみた…。
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「………………。」
ゆらが目を覚ますと見慣れない天井が目に入って来た。
ぼんやりとした頭で考えて、ここがまだ八斎會だと理解した。
ゆらは自分の体を見て、治崎が修復したのだと気が付いた。
自分が気を失ってしまった事にため息を吐く。
リカバリーガールの治癒とは比較にならない。
完全に体力も血の量を戻った様だ。
(こんな事を繰り返して刻まれている子供がいる……。)
ゆらはシーツをギュッと握った。
治崎の事だ、触れるのが嫌だからすぐに直さないで死ぬ直前まで放置していただろう。
自分よりも長く痛みに耐え続けているだろう小さい子供に、ゆらは眉間に皺がよる。
ガチャっと音がして、治崎がドアから入って来た。
「……気分はどうだ?」
ゆらは治崎の言葉にハッと笑った。
(私の体調なんて気にしていないくせに。)
「……最悪よ。」
そう言って笑って睨むゆらに、治崎も笑みを返す。