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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第14章 蒼炎遊戯※治崎廻・荼毘


ゆらははぁ、と大きく息を吐いた。

仮面をしていて本当に良かった。

今ゆらの顔を治崎に見られないのだから。

小さいと言うのが、子供だという事がすぐに分かった。

(……鳥肌が立つ。)

治崎の実験の為に犠牲になっている子供が居るという事だ。

ここでゆらが拒否をした所で、長く八斎會にいる気はない。

薬を作り続けるなら、犠牲になるのはずっとその子どもだ。

断ったって何も変わらない。

そう頭の中で思っているのに、ゆらの拳がぎゅっと握られた。

治崎がその拳を見て笑っている。

外面の良い笑顔に眩暈がしそうだ。

「……………やるよ……。」

ゆらがそう言うと、治崎はガタッと椅子から立った。

スッとゆらの横に立つと、耳元で治崎が言った。

「……本当に仲間思いだな。」

治崎の息がかかり背筋がゾクっとした。

これは嫌味だ。

治崎はゆらにヒーローとしての意思は無いのか試している。

治崎の手がゆらの肩に触れる。

彼の蕁麻疹はこの前より落ち着いている。

ゆらはハッと笑って治崎の手を払った。

「……触れたいなら、お願いしたら?」

残念だけど死柄木と違ってお願いされても断るが。

「……これから嫌でも触れられる。
長い時間な…。」

治崎にそう言われると、ゆらは別の部屋を案内される。

限られた人間しか入れない治崎の実験室。

血の匂いがこびり付いている。

長い時間ね…。

ここでコレから何をされるか容易に想像できて、ゆらは目を瞑った。















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