第13章 蒼炎を夢想する※荼毘
死柄木がドカッと2人の横に座った。
荼毘と同じ様にゆらの頭に手を置いた。
(…何?今更…。)
そう思いながらも、心地よい手にゆらは目を細める。
「… ゆら。」
死柄木がゆらの名前を呼ぶ。
ゆらはすぐにその意味が分かる。
「…ん…。」
死柄木の手を鎖で縛ってあげる。
やっと五指で触れて、死柄木は屈んでゆらの頬にキスをする。
まぁすぐに荼毘が邪魔するが。
続けてくれていいのに。
ここは天国だ。
しかし、この2人は随分とゆらを信頼している様だ。
心配になる。
こんなに簡単に信用して、裏切られた時にどんな思いになるのか。
まだ疑われながらここに居る方が気分が楽だ。
「…また2人でしてくれるの?」
「「絶対嫌だ。」」
ゆらが揶揄う様に言うと、2人は全力で拒否する。
何だ、死柄木ならこの悪ふざけに乗ってくると思ったのに。
「…ん、じゃあ荼毘行こう。」
荼毘は意外そうな顔をする。
またすぐにここで始めようとすると思ったからだ。
何か、今日は荼毘が優しいから。
恋人の様に過ごしたくなった。
そんな事いつも荼毘には求めてないけど、今日だけは無性に一緒にいて欲しい。
連合に居る皆んなに、それぞれの想いがあってここに居る事が分かった。
荼毘にも、彼なりの想いがあるのかもしれない。
もうそろそろソレを打ち明けて貰える関係になっはいないだろうか。
ちょっと前まで、荼毘の過去なんて興味無かったのに不思議だ。
今は荼毘の全てが知りたくなった。