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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第13章 蒼炎を夢想する※荼毘


集合が解かれて、各々バラバラに散って行く。

それでも自分から離れないゆらに荼毘は頭を撫でた。

珍しく随分と弱っている様だ。

「ゆら…。」

ゆらに声を掛けたのは、荼毘ではなく死柄木だった。

荼毘はチラッと死柄木を見た後にゆらを見た。

「オーバーホールはお前に何をやらせたいんだ?」

置いて行ったくせに気になるのか。

ゆらは顔を上げて死柄木を睨んだ。

「…例の薬を完成させる為に、私の血肉が欲しいって。」

ゆらの言葉に死柄木の目が少し歪んだ。

「アレ人の血肉なのか?……気色わりぃ…。」

荼毘は嫌悪感丸出しで嫌な顔をする。

「はぁ…行かせねぇよ。アホか。」

ゆらの頭を掴んで、荼毘も死柄木をギロっと見た。

(やだ…荼毘が彼氏みたい♡)

意外な荼毘の行動に、ゆらは胸がキュンとなった。

さっきまで治崎の事で気分が悪かったのに、一瞬で機嫌が治った。

死柄木は首をポリポリ掻くと、はぁっとため息を吐いた。

どうせ死柄木はゆらを行かせるのだろう。

ゆらは死柄木の態度に目を伏せた。

「…分かった、オーバーホールと話してくる。」

死柄木の意外な言葉に、ゆらは目を見開いた。

「……私の事どうでもいいから置いて行ったくせに…。」

「そんな話になるなんて知る訳ないだろ。」

置いて行ったのは、ゆらなら自分で何とか出来ると思ったからだ。

「知らない、死柄木とは口聞かない。」

ゆらはプイッと死柄木から顔を背ける。

本当にこんな所は面倒くさい餓鬼だ。

死柄木が大嫌いな。
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