第13章 蒼炎を夢想する※荼毘
「あいつはマグ姉を殺したんだぞ!あいつはMr.コンプレスの腕を吹き飛ばしたんだぞ!」
コンプレスが義欄に義手を付けて貰っている。
マジシャンの様な彼は義手になった事で、リハビリも必要だろう。
トゥワイスが怒ってる。
彼は本当に仲間思いの様だ。
「あいつは不用意に俺が連れて来たんだぞ!?俺だって人間だぞ?!死柄木!」
トゥワイスがマスクを外して死柄木にやり切れない思いを伝えていた。
その様子がまた、彼の苦悩がよく分かった。
トゥワイスを見て妙な気分になった。
自分もいつか彼らを裏切る事になるからだ。
ゆらは荼毘の膝をぎゅっと握った。
その行動に、荼毘はゆらを見下ろした。
距離を置かないとダメだ。
ここがいくら居心地よくても、彼らに心を許してはいけない。
ゆらはまた荼毘の膝に顔を埋めた。
「トガちゃんもよぉ!何とか言えよ!」
トゥワイスはまたマスクを付けながら、トガに声を掛けた。
トゥワイスの言葉を聞いて、トガは座っていた机からぴょんっと降りた。
「弔くんにとって私達は何でしょう。」
トガの言葉にゆらはふと将棋の駒を思い出した。
弔にとって連合メンバーは仲間であり……駒だ。
「私にとって連合は気持ちがいい、ステ様がきっかけでした。
私も私のやりたい様……生きやすい世の中に、出来るならしたいと思うので。」
トガはくるくる回るながら死柄木に向かっていった。
死柄木の前まで来ると彼の首にナイフを突きつけた。
「ねぇ弔くん、何のために辛くて嫌な事しないといけないの?」
納得させる答えをよこせと言う事だろう。