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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第13章 蒼炎を夢想する※荼毘


選べと言われても楽しく無いショッピングだ。

ゆらはボーッと壁一面の仮面を見ていた。

「!?」

急に大きな殺気がゆらを襲った。

振り返って鎖を放っていたら、間違い無く出遅れて死んでいた。

急な死に直面して、ゆらの五感がフルに働いた。

刹那の時間の中、振り返る事なく強い殺気に向かってゆらの鎖は放たれた。

ガシャン!ガラガラガラっ…!!

「…はぁ…はー…はー………。」

ゆらは冷や汗が出て目の前に居る治崎を見上げた。

治崎の手が壁にぶつかり、仮面を床に散らばせた。

鎖が彼の腕に巻いてなかったら、間違い無く死んでいた瞬間だった。

「はっ…はは…もう殺すの?」

「……いや、コレは試しただけだ。」

明らかに、高校生にしてはプロヒーローを相手にしている様な反射神経だ。

しかもザコヒーローなんかより、遥かに身体能力が高い。

何度か死に直面して、体がその感覚を覚えている。

コレだけの動きをするのに、どれだけの努力をしたのだろうか。

治崎自身もそうだった様に、この歳での個性の操り方は相当自分を追い詰めた様だ。

(……そして……。)

治崎はチラッと自分の腕を見た。

蕁麻疹は出ているモノの、いつもより酷く無く。

そして何より、心身的なあの凄まじい嫌悪感が無い。

治崎はゆらの肩をグッと掴んだ。

「…お前の抹消の個性。実験に欲しい。」

後少しで完成品が出来る。

イレイザーより遥かにいいサンプルが手に入った。

何せ、直接血肉が手に入る。
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