第13章 蒼炎を夢想する※荼毘
「でだ!先日の電話の件、本当なんだろうね。
条件次第ではうちに与するというのは。」
え?そうなの?絶対嫌なんだけど。
「都合の良い解釈をするな。」
死柄木はドサッとソファに座った。
「そっちは俺たちの名前が欲しい、俺たちは勢力を拡大したい。
お互いニーズは合致しているワケだろう?」
ズイッと死柄木が机の上に足を乗せた。
わー…やりたい放題…。
スッとゆらの体が横にズレる。
「足を下ろせ汚れる。」
イラッとしている治崎に、ゆらは苦笑いを何とか続ける。
「「下ろしてくれないか?」と言えよ若頭。
本来頭を下げる立場だろう。」
(…怖いモノ知らずの、強気だな。)
完全に自分を盾にするつもりの死柄木にイラッとした。
残念だが、ゆらは盾になる気は毛頭ない。
「まずは傘下にならん、俺たちは俺たちの好きな様に動く。
五分、いわゆる提携って形なら協力してやるよ。」
「それが条件か。」
死柄木の態度に治崎はいちいち騒ぎ立てない。
大人だ。
大人しいのは治崎だけで、ピリピリした空気がゆらを襲う。
胃がもたれそうだ。
「もう一つ、お前の言っていた『計画』その内容を聞かせろ。」
死柄木は指を一本立てながら言った。
「自然な条件だ、名を貸すメリットがあるのか検討したい。」
「尤も…。」
「!?」
死柄木が内ポケットに手を入れた途端、場が動いた。
「調子に乗るなよ。」
そう言ってクロノとミミックが死柄木を抑えつけた。
「自由過ぎるでしょう色々と。」
「さっきから何様だ!チンピラが!」
ゆらはその光景を見て大きくため息を吐いた。
「…俺に触るな。」
ゆらの下で治崎の声が聞こえる。
ジャラッと治崎に巻いた鎖に、自分の衝動に本当に頭がくる。
勝手に触るな、アレは私の被食者(モノ)だ。