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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第2章 蒼炎を喰む※荼毘


今なら黒霧に頼めば、ゲートで直接部屋に送れる。

荼毘は寝ているゆらを見下ろした。

「明日生き残ったなら、また会うだろうな。」

そう言って、寝ているゆらの瞼にキスをした。

(この俺を捕食対象にするとは…。)

荼毘はゆらを見て、ニヤッと笑った。

せっかく面白い女を見つけたのに、すぐに死なれてはつまらない。

どうせこの捕食者は、すぐに荼毘を見つけるだろう。

荼毘は満足そうに笑うと、スッと夜の森の中に消えた。







「秤!」

拳藤の声と肩の揺さぶりで、ゆらはやっと目を覚ました。

「……………。」

頭がぼーっとして、状況が良く飲み込めなかった。

「疲れてるのは分かるけど、お風呂入って来なよ。」

拳藤の話によると、皆んながお風呂に行く時には、全然起きなかったらしい。

(……荼毘?)

ゆらはさっきまで一緒に居たはずの、荼毘を思い出した。

ムクッと体を起こすと、全身に痛みが流れた。

硬い畳で寝ていた事と、1番痛みが激しいのは下半身だ。

履いている下着がヌルッとしているのも分かった。

その全てが、荼毘と会った事を思い出させる。

「早くしないと、お風呂時間終わっちゃうよ。」

まだ考え事をしているゆらに、拳藤は発破をかける。

「あ、うん、行ってくる。」

ゆらは持って来たお風呂セットを用意すると、痛む体を抑えて、部屋を出た。

幸い、今日体を引きずった所で、皆んな合宿のせいだと思ってくれるだろう。

(…荼毘…結局、どんな人だったの?)

ろくに話も出来ずに、衝動に駆られて荼毘を襲ってしまった。

そして倒れて寝てしまった今、荼毘が何者なのか知るよしも無かった。
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