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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第12章 蒼炎と緋※荼毘・死柄木


ゆらは吐息を吐いて、死柄木を見下ろすと、鎖を増やした。

「こんなんじゃダメだよ、もっと縛らせて…。」

ゆらは鎖をぐるぐる死柄木に巻き付ける。

「…お前…すぐ死にそうだな。」

死柄木がご機嫌にゆらの腰を五指で触った。

ゆらはそんな死柄木に目を伏せた。

死柄木だってゆらに触れたかったのだろう。

手の感触を確かめる様に動かしていた。

「こんなになるの荼毘と死柄木だけだから大丈夫。」

そう信じたい。

こんな安い報酬で命を張らなきゃいけないのは虚しすぎる。

ゆらは気が済むまで死柄木を巻き付けると、ギュッと鎖を握った。

強くなった締め付けに、死柄木の目が歪んだ。

………知っているだろうか死柄木。

貴方だと私は荼毘と違って、いつもこの鎖を強く締め付けたくなるんだ。

荼毘と同じ様で違う死柄木への衝動。

「…死柄木…簡単に許しちゃダメだよ。」

そう言ってゆらは死柄木に顔を近付けた。

いつだってその首を狙っているのだから。

ゆらの唇が死柄木に触れる前に、ゆらの唇に手が触れた。

グッと掴まれる顔に、ゆらは目を顰めてその手の主を見上げた。

「…俺は今焼けるぞ?」

すぐに死柄木から離れろと、荼毘の目が言っている。

可愛い嫉妬だろうが、衝動を抑えつけられる事はゆらが1番嫌がる事だ。

ゆらは荼毘の手をガブっと噛んだ。

「っ動物かっ。」

荼毘はゆらの顎を掴んで顔を上げさせる。

ゆらの顔は、自分の至福の時を邪魔した荼毘への恨みの顔だった。
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