第11章 蒼炎と鎖※荼毘
「トガちゃんの血は、潜入用?」
「そうですよー。」
トガが嬉しそうに血を吸う姿は、自分の恍悦と似ていると思った。
その光景を見て、ゆらはトガに耳打ちをする。
「トガちゃん私の雄英に居る彼氏、私と目が合っただけで、絶対に抱き付いてくるんで気を付けてね。」
轟が分からずにトガに抱き付いたり、キスしたりしたら嫌だった。
「えー!ゆらちゃん彼氏居るんですかぁ!?出久君?!」
トガちゃん耳打ちの意味…。
荼毘がピクッと眉を動かして睨んでる。
「違うの?!出久君とは仲いい?」
誰〜、誰〜、のトガの攻撃に少し頭がクラクラした。
「…コンプレスだ。」
次に手を伸ばしてくれたのはコンプレスだった。
義手の方を差し出さすのは、まだ信用していない証拠だろうか。
「ゆらです。縛っていいですか?」
そう言って、コンプレスの手に触れた瞬間、鎖がコンプレスの腕に巻き付いた。
「あっ、出ちゃった♡」
「うわっ!何なのこの子!オジサンそう言う趣味無いからっ!」
ごめんごめん。
いきなり出たのは、ゆらも初めての経験だ。
やっぱりヴィラン連合いい。
縛りたい対象が溢れている。
でも荼毘の目が怖いので、彼が居ない時に他の人には頼もうと決めた。
スピナーに至っては、コンプレスとのやり取りで警戒されて、顔すら見て貰えなかった。
…トゥワイスと黒霧が居なかった。
一通り挨拶を終えて、ゆらはチラッと死柄木を見た。
「…定期連絡は絶対、基本は自由で呼び出しには迅速に。」
「了解です…リーダー…。」
ゆらはニコッと笑って死柄木を見下ろした。