第11章 蒼炎と鎖※荼毘
この前とは違う倉庫に案内された。
荼毘がドアを開けると、死柄木と他のメンバーも揃っていた様だ。
どうやら今から面談が始まる様だ。
入って来たのがゆらと分かると、死柄木は手のひらの隙間から目を細めた。
どうやら荼毘はゆらとは言っていなかったらしい。
「……珍しく荼毘が連れて来たと思ったら…お前か…。」
「…はは…来ちゃいました…。」
死柄木だって来いって言っていたじゃ無いか。
アレ言ってない?
いつまでそっち側に居るのかだっけ?
どっちにしろそう言う事だろう。
何故そんなに不機嫌そうなのか分からない…。
(……それにしても…。)
メンバーが減っている。
そしてコンプレスの腕が義腕になった。
…そして何より…
ゆらを見る目に、疑心暗鬼の色を隠していない。
(…これは何かあったんだな…。)
何の事前情報を渡さない荼毘をチラッと見る。
荼毘はゆらの視線に気がついて、ニッと笑った。
「……お前は何が出来るんだ?ゆら。」
おっ、死柄木の呼び名が変わった。
「純粋にヒーローとの戦いになった時に戦力になる。」
多分私が1番。
「後、表向き雄英生だから、オールマイトの動向は入りやすいはず。」
それに加えてヴィラン思考高めなのは、ここに居るメンバー皆んなが知っている。
結構有料物件じゃないか。
ヒーロー側で1番潜入しても疑われない。
公安も良く荼毘との関係に気が付いて、目を付けた。
「…トガにお前の血を渡せ。」
「プスってしますよ〜ゆらちゃん。」
キラキラした目で、トガがやって来る。
「変わりに後で縛らせて♡」
ゆらはトガの手を握ると、嬉しそうにお願いする。