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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第11章 蒼炎と鎖※荼毘


『上層部の案件を受けたって。』

「……うん。」

電話の向こうのホークスの機嫌が悪いのはすぐに分かる。

大人しくしていろと言われたのに、言う事を聞かなかったからだ。

これだけヒーローに狙われている。

側に居なければ、あっという間に荼毘は捕まってしまいそうだ。

任務を受けるに当たって、公安の要望も分かった。

八斎會が研究した薬を手に入れたい様だ。

連合はともかく、八斎會に入るのは難しそうだ。

ホークスはきっと相談には乗ってくれないだろう。

「……しばらく連合にいる事もあるから、ホークスからの連絡は出れない。」

スマホの情報も消す事になるだろう。

ゆらがそう言うと、ホークスは終始不機嫌そうだ。

しかし、もう決めた事だから、ホークスが何を言っても変えるつもりは無かった。

ホークスの電話を切ると、ゆらはため息を吐いた。

今日、久しぶりに連合に向かう。

荼毘はともかく、死柄木はどうだろうか。

オールフォーワンを失い、彼の情報網はどれだけなのだろう。

(……歓迎はされないだろうな…。)

いつもの死柄木の様子を思い出して、ゆらは苦笑した。



ーー

ーーー

ーーーー

荼毘との待ち合わせ場所に向かうと、荼毘は先に来ていた。

ゆらを見て荼毘はフッと笑った。

(可愛い…。)

その笑顔を見て、ゆらは目を細める。

荼毘に出された手を握って、少しだけ胸が痛んだ。

彼を捕まえるだけにこの道を選んだと、そう言ったら。

荼毘の顔は怒りで歪むのか、悲しみで歪むのか。

その時は、その顔を見てゆらをまた同じ顔をするのだろう。
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