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【R18】蒼炎を縛る【ヒロアカ】

第10章 蒼炎の衝動※荼毘


ゆらのヒーロースーツをグッと剥いて、現れた胸元に目を細める。

「……随分と愉しんでたみたいだなぁ、ゆら。」

ああ、轟の痕か…。

一瞬、轟の笑顔が浮かんだ。

ごめん、轟。

やっぱり荼毘への衝動には敵わない。

「…沢山いる様だな、俺へと同じ気持ちって奴は。」

荼毘はジャケットを脱いで、ため息を吐きながら言った。

「え?」

「?」

ゆらは荼毘の言葉に不思議そうに声を漏らした。

「…居ないって…荼毘と同じ気持ちになる人なんて…。」

「…………。」

荼毘はゆらの言っている事が理解出来ない。

個性の衝動=ゆらの性欲だと思っているから。

「…縛らないのか?」

「まぁ、いいよって言われれば。」

だって個性の衝動が無い。

荼毘は逆に不思議だった。

「…お前って縛らなくても、性欲ある訳?」

「…荼毘って私の事、何だと思ってるの?」

荼毘の言葉に、呆れた様にゆらは言うが、逆に不安になる。

それが出来るのなら、自分に対する気持ちの方が、ただの性欲では無いか。

「はぁ…荼毘まだ続く?」

ゆらは腕を伸ばして、荼毘の首元に手を巻き付ける。

何だか荼毘の表情が良く無い。

「…お前、本当に分かんないのか?」

荼毘の言葉に、ゆらは顔を顰めた。

その顔はまだ続くのかと言っている。

「ゆら、俺は今お前に腹が立ってる。」

ゆらの何で?と言う顔が余計腹正しい。

「お前、今日は俺を縛れると思うなよ?」

荼毘はそう言って、ゆらの服を剥いだ。

今日はどんに縋って泣いてきても、絶対に縛らせない。
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