第10章 蒼炎の衝動※荼毘
「……会議室って、こんな事に使えるのね。」
ゆらはホークスを椅子に座らせて、彼にまたがると、ゆっくり鎖を手で巻いていく。
丁寧に一巻き、一巻き。
その度にゆらの表情は恍悦さを増していく。
「…まさか…俺以外で使うなよ。」
普通に捕まるから。
ゆらは巻き終わると、はぁ、と吐息の様なため息を吐いて、ホークスを見下ろしている。
駄目だ、もう何も聞いていない。
今日はグルグル巻きだ。
流石にこの姿を誰にも見られないように、ホークスも祈る。
「……やっぱり、ホークスが1番気持ちいい。」
やっぱり…。
「まさか、焦凍君にもこんなプレイを…。」
頼むから違うと言ってくれ。
「…最近、轟は喜ぶから何か違う…。」
(駄目だ、焦凍君の性癖が明後日の方向に行ってしまう。)
ホークスは純真無垢な彼の心情を心底心配する。
ゆらはホークスに触れないで、ジッと見つめている。
元々それだけで満足出来ていた衝動だった。
この前みたいに取り乱さない所を見ると、随分と落ち着いた様だ。
ゆらの衝動を上回る位、轟の性欲が激しいと言う事なのだろうか。
駄目だ。
考えたら胃が痛くなる。
随分と落ち着いて来たゆらを見て、ホークスはやはりもう荼毘には会わせたく無かった。
元々こうして、自分の個性と折り合いをつけて、こっち側で生活出来る人間なんだ。
衝動に任せて、好きな事をするヴィランとは違う。
「……ホークス…もう大丈夫。」
すぐに終わった行為に、ホークスはびっくりして、ゆらを見上げた。
大丈夫と言いながら、全然物足りなさそうだ。