第10章 蒼炎の衝動※荼毘
(……潜入ね……。)
趣味じゃ無い。
相手を騙したり、役に成り切ったり、面倒くさい。
そんなのは、ホークスが適任だ。
ゆらは公安の休憩スペースに座って、ホークスを待った。
暫くして、ホークスがすぐに降りてきた。
ゆらを確認すると、すぐにゆらの隣に座った。
「……解決した?」
「…さぁ、そもそも何処まで本気か…。」
ゆらが言った通り、彼女には荷が重すぎる案件だ。
本気で成功させたいのか、他に目的があるのか…。
連合と八斎會の接触は、ヒーロー達も動いている案件だ。
そこにゆらを配置するのは、不自然な気もする。
「…少し探るから、それまで大人しくしてろよ。」
ホークスはゆらの頭をポンと撫でた。
「…………。」
ゆらのご機嫌はまだ治っていない。
「……焦凍君と仲良くしているみたいだな。」
言うつもりは無かったが、ゆらの横顔を見て思わず口に出てしまった。
やっぱり監視されている。
ゆらは余計に眉間に皺が寄る。
「…物足りないなら、付き合おうか?」
頭に置いた手を、スッと滑らせてゆらの頬を撫でた。
「…いい、多すぎて困ってる位。」
ゆらの言葉に、ホークスは苦笑いする。
流石、高校生。
じゃあ、終始機嫌が悪いのは1つしかない。
「…ゆら、縛らせてあげるからおいで。」
ゆらの耳元で、ホークスが囁いた。
ホークスの言葉を聞いて、ゆらの目が伏せてゆっくり頷いた。
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