第8章 蒼炎乱舞※死柄木
「っはっ…はぁ…。」
痛みを逃す様に息を吐く。
ジャラッと音がして、死柄木の腕と自分の腕が繋がっているのが見えた。
この男を捕まえているのは自分だ。
しばらく死柄木の舌を絡めていると、ゆらの口の中に、死柄木の舌が入って来た。
ゆらは誘い込まれた死柄木の舌をガリっと噛んだ。
「っ…いってぇなぁ。」
死柄木は唇を離すと、ゆらを睨んで見下ろした。
ゆらは死柄木のその目に目を細めて、口角を上げた。
死柄木はゆらの頭を押さえつけると、現れた首元に噛みついた。
「っ!……はっ…死柄木…。」
本当にただではやられない男だ。
死柄木は自分が付けた歯形をベロッと舐めた。
自分の舌の血なのか、滲んだ歯形の血なのか分からない。
だけれども、死柄木の唾液にお互いの血が混じって居る歯形を見て、死柄木もまた笑った。
ゆらの中は随分とスムーズに動く様になっていた。
痛みだけでは無い感覚が、ゆらに伝わる。
「は…あ……っ。」
キスから漏れるゆらの声色も変わってきた。
死柄木は体を起こすと、ゆらを見下ろしながら腰を振った。
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
大分息が上がり、そろそろイきそうだ。
死柄木はゆらの口の中にもう一度親指を入れた。
「…噛むなよ、そのまま咥えてろ。」
死柄木の服従させる様な行為に、ゆらは鎖が繋がっている手を死柄木の口元に持って行った。
同じ様に死柄木の口の中に、親指を押し込む。
きっと2人とも同じ顔をしているのだろう。
その光景を互いに見合いながら、死柄木はゆらの指を口の中で舐めた。