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約束の景色

第22章 東京合宿 ”安定” と ”進化”


昨日できなかった分を取り戻すように、朝から飛ばしていく日向くんと影山くん。

初戦の対戦相手は音駒高校
音駒が円陣を組む時に黒尾さんに手招きされたが、澤村先輩に「行かなくていい」とがっちり肩を掴まれた。
試合中もネットを挟んで黒尾さんと澤村先輩がバチバチにやりあっている。
日向くんが飛べばリエーフくんがブロックする。なんだかこの二人は似ている気がする。
それに日向くんは研磨くんと一緒に試合できるのがとても嬉しそうだ。
犬岡くん、リエーフくんともよく話している。
影山くんは試合中は研磨くんをじっと観察して、終わるとすぐ追い回している。話したいのかな?

「あっつい・・・」
フライング1周を終えた汗だくの月島くんが戻ってきたので飲み物を渡す。
「お疲れ様!体育館の中暑いから、外に出たほうが涼しいよ」
「そうだね」
返事をしたけど動かない
「大丈夫・・・?もっと飲み物のむ?」
心配になってくる
「俺にも飲み物ちょうだい」
菅原先輩も戻ってきた。すると月島くんは外に出ていった。
「もうトラウマになりそうだよ。この2日間を一生思い出しそう」
しんどそうな顔をしている。
「菅原先輩、体育館の中暑いから外で涼んだ方がいいですよ。さっき出たら良い風吹いてましたから」
「うん」
菅原先輩も返事はするが動かない。
そうか!みんな急に動けないくらいしんどいんだ。
「皆さん汗凄いのでタオル濡らしてきますね!休んでてください」
カゴにタオルを詰め込んで急いで外に向かう。
その後ろを西谷先輩が追いかけてきた。
「みな外行くのか?俺もちょうど行くところだ」


「ねぇ・・・。さっきからあれなんなの?」
音駒が烏野ベンチ側に歩いて行くと誰かが話しかけて足止めたり、追いかけまわしたり。
和やかに会話している雰囲気出してるけどどっちも目が笑ってない。
「あの人たちなにしてるの?」
赤葦分かる?と聞かれじっと観察する。
「攻防戦・・・ですかね?試合以外でも負けられない戦いがあの場で起こっているみたいです」
「なにそれ」
冷たく返事を返された。


バス見送りの時間まで、烏野の鉄壁のディフェンスにより音駒がマネージャーに話しかける瞬間は1秒も訪れなかった。
その為黒尾たちは今回も連絡先の交換が失敗に終わる。

「いいかお前ら。次は1週間の合同合宿がある!本番はそっちだ!!」
「「「あス!」」」
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