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約束の景色

第22章 東京合宿 ”安定” と ”進化”


合宿2日目 早朝

「(早く目が覚めちゃった・・・)」
目を開くと知らない天井。一瞬”どこ?”って考えたけど、そうだ!音駒高校に合宿に来てたんだって思い出す。
周りのみんなを起こさないようにそっと洗面所へ向かった。顔を洗ってジャージに着替えて・・・
「あ!昨日食堂にタオル忘れてる」

音を立てないようすり足で廊下を歩いて食堂へ向かった。
ドアのガラス部分から中をのぞきこめば見慣れたタオルが椅子にかかっているのが見える。
「(良かった!ちゃんとあった)」
「なにしてるんですか?」
「!」
驚いて体が固まる。ギギギって効果音が聞こえそうなくらいゆっくり振り返ると、キラキラ輝くエメラルドグリーンの瞳と目が合った
「灰羽くん・・・おはようございます」
「おはようございます」
名前知っててくれてたんですね、ありがとうございますとお辞儀された
「あ、私は烏野1年マネージャーの・・・」
「一ノ瀬みなさんですよね?先輩たちから聞いて知ってます」
にっこり笑う
「ごはん探しに来たんですか?」
「違うよ!」
「おっ!もしかして今ヒマですか?」
「えっ?」
早く起きたから起床時間までヒマではある。コクンとうなずいた。
「やった!じゃあこっち!」
手を引いて走り出す。
「灰羽くん!どこ行くの!?」
「これから朝の勝負やるんですよ」
「勝負?」
「うん。あ!それと名前、リエーフでいいです。みんなそう呼ぶし」
「じゃあリエーフくんで」
「じゃあ俺もみなさんで」

学校裏側の土手まで連れていかれた。早朝だというのに何人か集まってる。
「リエーフ遅いぞ!って・・・一ノ瀬ちゃん?なんで?」
犬岡くんがびっくりする。
「おはよう!一ノ瀬も一緒に競争する?」
「朝早いんだな」
日向くんと影山くんが準備運動しながら挨拶した。
「食堂の前で捕まえてきた。手伝ってもらおうと思って」
「おはよう!一ノ瀬ちゃん、俺たちこれから朝の走り込み競争するんだ!タイムよろしく」
芝山くんからノートとストップウォッチを渡された。
スタートの合図と記録とりが私の仕事らしい。
日向くん、影山くん、犬岡くん、芝山くん、リエーフくんの5人が一列に並ぶ
「・・・よーい、ドン!」
私の合図で一斉に走り出す
「昨日あんなに動いたのに元気だな・・・」
みんなの背中が一気に小さくなった
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