第20章 東京合宿 レッツゴートーキョウ!
烏野side
気を取り直して一ノ瀬の前に立つ黒尾
「一ノ瀬ちゃんは音駒の大切なマネージャだからな。皆で迎えにきたんだよ。ようこそ音駒高校へ!2日間よろしくな」
あとで校舎案内してやるからな、とにっこり笑いかけた。
サッと一ノ瀬と黒尾の間に入り、自分の後ろに隠す澤村。
「今回は合宿開催校だし、人手は足りていると思うのでマネージャーはなしです。猫又監督も何も言ってなかったですよ?」
こちらもにこやかに笑う澤村。
「おや?それは分かりませんよ?」
「分かりますよ?」
段々と二人の笑顔が怖くなっていく。
「翔陽は遅れて来るんだって?」
「補習受けてて・・・。でも合宿中に絶対来るよ!」
「そっか。楽しみにしてる」
これ体育館まで運ぶの?と荷物を持とうとするので急いで止める。
これから研磨くんたちだって沢山練習試合が待ってるんだ。甘えるわけにはいかない。
後ろでは黒尾と澤村がずっと同じやり取りを繰り返していた。
そんな二人を菅原と夜久が「これから二日間試合するんだから仲良くしろよ」となだめる。
「ここが研磨くんたちの高校なんだね」
音駒のみんなはいつもここに通ってるんだ。勉強したりみんなでおしゃべりしたり・・・そう考えるとなんだか変な感じがする。
みんなの制服姿も想像できないな。
「あとで時間出来たら案内してあげるよ」
おすすめのサボり場所とか、涼しい場所とか色々あるから、と言う。
人目につかないサボれそう場所ばかりを教えようとしているのが、なんだか研磨くんぽくて笑ってしまった。
「みんな揃ったか?荷物降ろし終わったら俺達も移動するぞー!」
烏養コーチの声が響く。
今日から1泊2日の東京合宿が始まる!
音駒と烏野以外にもここに沢山の高校が集まってるんだ。
黒尾さんたちのあとに続いて体育館に移動した。