第20章 東京合宿 レッツゴートーキョウ!
体育館に入ると他の学校の人たちがもう揃っていた。
アップが終わったらあとは全チームでぐるぐると試合をやるらしい。
1セット毎に負けたほうはペナルティでフライングコート1周。
部活の時もやっているのを見てるけど、あれは本当にキツそうだ。
初めての場所に来たから?急に周りの人たちが全員強そうに見える・・・
「(なんか・・・あの日向くんみたいに元気な人に物凄く見られてる気がする。私なにか目立つようなことしたかな・・・?)」
遠くに居ても一際目力を感じる。あの人はどこの学校の人だろう?
ぴょんぴょん跳ねたり手を振り回したりしながら隣の男性になにか話かけている
「!」
一瞬目が合った気がして隣を歩く月島くんの後ろにサッと隠れた。
「どうしたの?」
「周りの人たちみんな強そうに見えてつい・・・それになんか見られてる気がしない?」
「気にしすぎデショ。僕たちのこと注目してるとこなんかないよ」
そう言ってフワァ~ってあくびをした。寝起きでまだ眠たそうな月島くんは他校の視線なんか気にならないみたいだ。
「一ノ瀬、そんな弱気じゃシティボーイたちに舐められるぞ?」
両手に荷物を持ってくれている田中先輩が笑う。
隣で同じように荷物を運んでくれてる西谷先輩も
「2日間楽しみだな!」ってキラキラした瞳で体育館の中を見渡していた。
「猫又監督が作ってくれた貴重な東京遠征だ!2日間貪欲に
経験値積むぞ!」
前を歩く澤村先輩が振り返ってみんなに言った。
確かにそうだ!きっとこの東京合宿は一瞬で時間が過ぎちゃう。
せっかくのチャンスなのに弱気になっていたらもったいない
「はい!」
澤村先輩に大きな声で返事をすると旭先輩がびっくりした。
「長距離移動の後なのに一ノ瀬は元気だな」
これからたくさん体力を消耗するみんなに荷物を持たせるわけにはいかない!
「田中先輩!それ私が運びます!」
「おわっ!!?」
持っていた荷物に手をかける。驚いた田中先輩が手を離すと一気に重さを感じた。・・・そのまま床に倒れこむ。
「わーーっ!一ノ瀬ちゃーん!!」
「顔からいったぞ!大丈夫か!?」
「田中!お前なに入れてたんだよ!」
「筋トレしようと思って鉄アレイを(笑)」
「みな!ナイスガッツだな!」
「烏野・・・賑やかでなんか楽しそうなやつらだな」
他校から更に注目されるようになった。
