第20章 東京合宿 レッツゴートーキョウ!
音駒 黒尾side
「烏野、もうすぐ着きそう」
ずっとスマホをいじっていた研磨がそう言って立ち上がる
「なんで分かるんだよ?まだ連絡きてな・・「烏野到着しましたー!」
山本が走ってきて烏野の到着を告げると、すぐ駆け出して行った。
本当によく動くやつだ。
「おい研磨!なんで分かったんだよ」
「別に・・・」
視線を合わさずさっさと山本の後に続いて移動する。
出迎えに行った先には鉄塔を見て騒いでいる烏野2年がいた。
「オォッ、あれはもしかしてスカイツリー!!?」
「「東京すげー!」」
「いや、あれは普通の鉄塔だね」
はしゃぐ烏野2年に優しくつっこむ海。
あれがスカイツリーに見えるのか?烏野のやつらってやっぱり面白いな。
「久しぶり」
長距離移動で疲れ気味の澤村に声をかけられた。
「久々だな、お疲れさん。ていうかオイ・・・なんか人足んなくねーか??」
いつもだったらもっと賑やかなやつらがいるはずなんだが・・・。
チビちゃんなんか1番に飛び出してきそうなのに。
まだバスで寝てんのか?
「それが・・・日向と影山は後から」
「なんだよ。急用でもあったのか?」
「いや、赤点補習受けてから来るんだ・・・」
「あぁー・・・・」
苦笑いしてそう答える澤村を、同じ主将として気の毒に思った。
手のかかる後輩って・・・どこの学校にも居るよな。
キョロキョロしていた研磨はやっとお目当ての人物を見つける。
向こうも研磨に気づいたようだ。
「お疲れ様。ここまで遠かった?」
「研磨くん!東京遠かったよ~。でもほとんど寝てたから意外とアッという間だったかな?」
そんな二人のやり取りをじーっと見つめる。何かがおかしくないか?
「・・・なんで”久しぶりの再会”って感じしねぇんだろうな?」
「黒尾さん!お久しぶりです!」
「そうだ!第一声は普通”久しぶり”だろ?なんでお前らは違うんだよ」
俺の質問に研磨がイヤそうな顔をした。
「・・・翔陽とみなと3人で連絡取ったりしてたし。だから久しぶりって感覚あんまないかも」
「(こいつ・・・!!何度聞いても俺らには”連絡先消えちゃった”とか言ってたくせに自分は連絡とってたのかよ!)」