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約束の景色

第18章 秘密の特訓


「一ノ瀬!こっち来いよ!」
田中先輩がこちらを見て手招きする。
周りには2年生全員揃っていた。よかった!一度で済みそうだ。
「揃ってて良かったです!これ、武田先生から預かった遠征の書類で・・・」プリントを配る。
「みんなでお昼なんて楽しそうですね」
「一ノ瀬も今度一緒に食うか?」
プリントを受け取った木下先輩が言う。
「いいんですか!?」
「もちろん。一ノ瀬と一緒にお昼食べられるの楽しみにしてるよ」
縁下先輩がにっこり笑った。つられて笑顔になる

教室の片隅で楽しそうに盛り上がるバレー部を見て、部活に女子マネージャーいない組が泣いた。


「みなー!」
1年の階に戻る途中、後ろから呼び止められる。
「西谷先輩どうしたんですか?」
東京合宿のプリントで分からないところあったのかな?
「今日の部活終わり空いてるか?」
「はい」
「じゃあ終わったら校門前集合」
着替えないでジャージのままでいいからな~と言いながら去っていった。何するんだろう?

部活終わりに言われた通り校門前で待機する。
「よし!じゃあ行くか」
「どこ行くんですか?」
「秘密の特訓だ。約束したろ?バレー教えるって」
「!」
驚いた私の表情を見て笑う。
連れていかれたのはママさんバレーが練習している体育館。
西谷先輩がいつも秘密の特訓をしている場所。
時間を見つけては特訓をしにいっているという。
「もっとボール拾えるようにならないとな!」
今だってすごいのに・・・部活以外でも練習しているんだ。

「あら?西谷君今日は可愛い子連れて来てるのね!彼女?」
「違いますよ!部活の後輩です」
「照れなくてもいいのに」
ママさんたちに混ざって練習開始。
まずはブロックフォローの練習をする西谷先輩の近くでボール拾いなどお手伝いをする
「みなちゃんはバレー出来るの?」
「まだ初心者で・・・今日から西谷先輩に特訓してもらうんです!」
「それならあとで一緒にやりましょう」
休憩中に西谷先輩がフォームを教えてくれた。
途中からママさんたちに混ざってバレーをやったが明らかに下手くそ。
最後はみんなに混ざって試合もした。腕は真っ赤になっちゃったけど、みんなでボールを繋ぐのは楽しい。
それに沢山動いたし、体力もつきそうな気がする!

片付けも終わり、みなさんに挨拶して体育館を後にした
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