第18章 秘密の特訓
「皆さんに今後のスケジュールをお知らせしますね。
まずは今週末、県内の日山高校と練習試合が決まっています。そして・・・」
武田先生がみんなを見渡す
「東京遠征が決まりました!!!」
「「「おぉーー!」」」
みんなのテンションが一気に上がった。
隣にいる清水先輩と手を取り合って喜ぶ。ついに決まったんだ!
「東京ってもしかして・・・音駒ですか!?」
「練習試合っスか?」
日向くん、影山くんの質問に武田先生がうなずく。
「でも今回は音駒高校だけじゃないんだ。
”梟谷学園グループ”
音駒を含む関東の数校で出来ているグループで、普段から練習試合などを盛んに行っているそうなのですが・・・今回、猫又監督の計らいで烏野もその合同練習に参加させてもらえることになりました!」
「今度は俺が護り勝アァつ!」
「うぉぉぉ!!シティボーイ連合に殴り込みじゃああああ!!!」
西谷先輩と田中先輩の熱も上がる。
「ただ向こうはIH予選が今週末からなのですぐってわけじゃないです。
あと、遠征の場合親御さんの了承も必要だからこれは後で書類を配るね。取り敢えず皆の意思は・・・」
「「「勿論行きます!!!」」」
お昼休みに担任の先生に頼まれたものを届けに職員室へ。お昼ごはん中の武田先生と目が合った。
「一ノ瀬さん!この書類を皆に渡しておいてくれる?」こないだ言ってた遠征の書類ね、とプリントを預かる。
まずは3年生の階へ。
清水先輩が「澤村たちに渡しておくよ」と言ってくれたのでまとめて預けた。
「次は2年生か・・」
田中先輩のクラスから回ることに。
「あの、田中先輩いますか?」
「え?田中?うちのクラスに田中は一人しかいないんだけど。田中龍之介で合ってる・・・?」
信じられないといった顔をしてる
「??? 合ってます」
「田中・・・お前は俺と同じだと思っていた。仲間だと思っていたのに・・・裏切者!」
近くにやってきた同級生が悔しそうな声を出す。
「なんだよ、どうした?」
「お前に会いに来ている女子がいる。しかも下級生だ!」
「なにっ!?」
俺にもついに・・憧れた瞬間がやって来たのか!
周りにいたノヤっさんたちが「おぉっ!?」と騒ぎ出す。
あそこにいる、と指さした先を見ると教室の入り口でソワソワしている一ノ瀬の姿が見えた
「悪いな。俺は一歩先を行く」
落ち込む同級生の肩をポンと叩く
